
人気店のシェフに2つのレシピを教えてもらう連載企画。旬の食材を使ったレシピと、プロの技のレシピをご紹介していきます。12月は、横浜にあるイタリアン『トラットリア ビコローレ ヨコハマ』の料理人・佐藤護さん。今回は、プロの技のレシピ「じゃがいもで巻いた仔羊のロースト カッチャトーラのソース」を教えていただきました。
プロならではの繊細な火入れや、組み合わせの妙をマスターしたい「じゃがいもで巻いた仔羊のロースト カッチャトーラのソース」。カッチャトーラとは“猟師風”という意味で、山の猟師が狩りのあとに、山のものであるきのこなどと一緒に調理した、豪快な煮込み料理が一般的です。
「以前お店で出していた定番メニューです。本来は、鶏肉などの肉と、保存がきくハーブやビネガーなどを鍋ひとつで煮込む料理ですが、レストラン仕様に仕立てました。ビネガーをバルサミコ酢に、鶏肉を仔羊にしたりすることで、ワンランク上の味わいになります」
仔羊のロースト方法にも、佐藤シェフならではのテクニックが使われています。
「細長くカットしたじゃがいもを巻きつけて焼くことで、間接的に火が入り、肉がしっとり仕上がります。表面だけが先に焼けないように、弱火でじっくり加熱してください。こうすることで、じゃがいもはカリカリに香ばしく焼けて、食感のコントラストも楽しめますよ」
仔羊は、赤身、骨付き肉、脂身に切り分ける。骨と脂身はソースで使用するのでとっておく。
ソースを作る。フライパンにオリーブオイル適量を入れて熱し、骨付き肉と脂身を香ばしく焼いて脂を引き出す。
じゃがいもを麺状にする調理器具で、均一な太さにカットする。きしめんのような形状になるスパイラルカッターなどがおすすめ。
肉の表面にじゃがいもを巻きつけて、形を整える。
ペーパータオルでくるんで5分おく。じゃがいもの水分を吸い取ることで、カリッと焼ける。
じゃがいもを通して肉に間接的に火が入るので、しっとりと仕上がる。
肉は立てて取り出し、この状態のままオーブンに入れる。「じゃがいもの面を下にしてしまうと、せっかくカリカリにしたのに、しんなりとしてしまいます」