アップルチキンローストとハニーマスタードソース

料理教室を主宰する人気料理家の「とっておきの一皿」をご紹介する連載。教室でも生徒さんから大好評だったオリジナルレシピや、自身にとっても思い入れの深い一品をお届けします。毎日の食卓からおもてなしにまで活躍する、季節感やトレンドを感じられる自慢の味をぜひ試してみてください。

クリスマス気分を盛り上げる、おもてなしメニュー

料理教室「Class A’s Kitchen」を主宰する中尾明美さんが教えてくれたのは、クリスマスシーズンにふさわしい、鶏肉を主役にした豪華なメニューです。

「LAの本屋で買った料理雑誌からヒントを得た、お教室でも人気のクリスマスメニューです。本を見た時、ローストチキンに果物を入れるんだ!という、新鮮な驚きがありましたね。特にローストしたりんごは意外な美味しさがありますよ。鶏一羽焼くのは、火が通らなかったりと調理が難しいこともあるのですが、鶏一羽分の部位をバラバラに購入してラフに仕上げるから簡単です」

美味しく作るコツがあれば教えてください。
「最初に鶏肉をマリネしておくと、肉が柔らかく仕上がるので省かないでください。アップルタイザーを使用してマリネするのがおすすめです。また、失敗なく作るためには、鶏肉は必ず常温に戻すこと。冷蔵庫から取り出したばかりだと、中まで火が通らない可能性があります。骨つき肉は、ナイフで骨の部分を露出させると火が通りやすくなって安心です。最後に鶏肉だけ、フライパンで皮目をパリッと香ばしく焼くのも、美味しさを後押しするひと手間です」

テーブルを華やかに彩るための盛り付けのポイントも教わりました。
「野菜と手羽元を土台にし、骨つきもも肉の足の部分を立て、生のローリエも立てると立体感が出てより美味しそうに見えます。

迫力のビジュアルと食欲をそそる香りに、思わずゲストの歓声が上がりそう!あとは、ワインとおいしいチーズやパンがあれば大満足のテーブルに。おもてなしやパーティメニューに大活躍間違いなしのレシピは、ぜひマスターして。

2022年12月1日

レシピ作成
中尾明美さん
調理時間
60分 ※内準備時間0分

材料4人分

鶏肉(もも肉、手羽元、骨つきもも肉などを組み合わせて)
1羽分

A

アップルタイザー(なければ水)
200ml
小さじ2
砂糖
小さじ1
タイム、ローリエなどのハーブ
適量
オリーブ油(または米油)
適量
適量
りんご
1/2〜1個
にんにく
3片
玉ねぎ
1個
かぼちゃ
適量
じゃがいも
3〜4個
さつまいも
200g

B

ディジョンマスタード
大さじ1
蜂蜜
小さじ2
バター
10g
マヨネーズ
小さじ2
無塩バター
適量

手順

作り方

  1. 1

    ボウルにAを入れてよく混ぜ、鶏肉を加えて冷蔵庫に入れ、30〜60分マリネする (水を使う場合は一晩マリネしてもよい)。マリネした鶏肉を冷蔵庫から取り出してマリネ液を拭き取り、オリーブ油適量を鶏肉にまぶす。室温に戻るまで室内に置いておく。オーブンは200度に予熱する。

  2. 2

    たまねぎと皮付きのままのりんごはくし形切りにする。かぼちゃは皮付きのまま薄切りに、じゃがいもとさつまいもは乱切り、にんにくは皮をむいて芯を取り除く。
    これら野菜のすべてに塩、オリーブ油を各適量をまぶす。

  3. 3

    天板の上にクッキングシートを敷き、網を置く。1の鶏肉、鶏肉の上にタイム、ローリエを置き、その上に2の野菜をまんべんなくのせる。

  4. 4

    3をオーブンに入れて、200℃で30〜40分を目安に焼く(焼き時間はオーブンにより異なるので様子をみる)。野菜が先に焼けたら取り出すか、焦げないようにアルミホイルを乗せて焼く。かぼちゃが焦げやすいので注意。

  5. 5

    鶏肉が焼き上がったら、オーブンから取り出し、肉汁が落ち着ちつくまで温かい場所で休ませる。

  6. 6

    フライバンを熱してバターを溶かし、中火よりやや強めの火加減で、5の鶏肉を両面焼く。皮の部分がカリカリになったら、器に取り出し盛り付ける。

  7. 7

    ハニーマスタードソースを作る。Bを鍋に入れて混ぜ、中火で熱し、バターが溶ければ完成。ソースはお好みで添える。

撮影/佐藤朗 スタイリング/綱渕礼子 取材・文/岡井美絹子

PROFILE
中尾明美さん

東京都新宿区で料理教室「Class A’s Kitchen」主宰。料理の道を目指したのは50歳の時。本格的に料理を学ぶため、「DEAN&DELUCA」でキッチンスタッフとして働き始めました。ここで経験を積み、イタリアンリストランテ「アロマクラシコ」の厨房でシェフの補佐をしながらさらに料理修行。イタリア料理好きが高じて、2015年はイタリアフィレンツェにて1ヶ月ほど料理を習うなど、アクティブな一面も。日本のこだわり食材を使い、シャンパーニュ コレ ブラン・ド・ブランとのマリアージュレシピを考案する「日本コレ賞 JAPAN COLLET AWARD」を受賞するなど、積極的に活動する。教室のモットーは、化学調味料はできる限り未使用、調味料もなるべく自家製にこだわり、添加物フリーの五感を刺激する料理を作ること。中華からフレンチまでさまざまなジャンルのレッスンを開催。オンラインレッスンもあり。
https://www.instagram.com/classaskitchen/