人気店のシェフや料理家に、自慢のレシピを教わる連載企画。プロならではの素材や調味料の選び方、組み合わせ、活かし方には、学ぶべきポイントが満載です。
話題のスモーブローを完全マスター!
連日満員御礼、夜な夜なワイン好き&食いしん坊たちが集う、西荻窪のビストロ「オルガン」。紺野真シェフに、旬素材をたっぷり盛り込んだ、「スモーブロー」のレシピを教えてもらいました。
北欧の料理である「スモーブロー」。パンの上に食材を重ねたオープンサンドの一種で、手軽に作れるうえにビジュアルも美しいことから、今話題の料理です。「ニシンの酢漬けやケイパー、スモークサーモンなどが伝統的に使われる具材。でも、相性の良い素材同士であれば、アレンジも楽しめます」と紺野さん。ただし、たっぷりのライ麦を練り込み、しっかりした食感と酸味を持つ黒パンを使用するのがポイントです。
旬食材、アスパラガスの扱い方を学ぶ
今回紹介してくれたのは、春の素材、グリンピースとアスパラガスの青みのある清々しい風味を盛り込んだ一品です。「フランス料理の中で、アスパラガスは主役になりえる春の食材。皮をむくときには薄く、その他の工程でも丁寧に扱います。むいた皮も無駄にせず、湯に入れて一緒にゆでれば、より風味が保てます」。ひもでアスパラガスを束ね、根元部分に先に火を通すことで穂先側の食感もしっかりキープできます。
火を入れたアスパラガスだけでなく、生のものをトッピングして2種類の香りと食感を盛り込んでいるのがこのレシピの特徴。トッピング用は、リボン状にカットするとより美しく仕上がります。ボウルの上にスライサーを置くなどして、素材同士がぶつかって途中で折れたりしないように注意しましょう。
スライスした黒パンにグリンピースのピューレを塗り、具材を重ねていきます。マヨネーズは数か所に少量ずつ。「スモーブローの盛り付けは自由」という紺野さん。パンから具がはみ出しても、例えばソースを思いっきりふりかけてもOK。「大胆さも魅力のひとつ」。なので、仕上げは皿の上で行うと、作業が楽なだけでなく、具が落ちたり、ソースが垂れても気にすることなく盛り付けの作業自体を楽しめます。