アスパラとグリンピースのスモーブロー

2019年04月23日

人気店のシェフや料理家に、自慢のレシピを教わる連載企画。プロならではの素材や調味料の選び方、組み合わせ、活かし方には、学ぶべきポイントが満載です。

話題のスモーブローを完全マスター!

連日満員御礼、夜な夜なワイン好き&食いしん坊たちが集う、西荻窪のビストロ「オルガン」。紺野真シェフに、旬素材をたっぷり盛り込んだ、「スモーブロー」のレシピを教えてもらいました。

北欧の料理である「スモーブロー」。パンの上に食材を重ねたオープンサンドの一種で、手軽に作れるうえにビジュアルも美しいことから、今話題の料理です。「ニシンの酢漬けやケイパー、スモークサーモンなどが伝統的に使われる具材。でも、相性の良い素材同士であれば、アレンジも楽しめます」と紺野さん。ただし、たっぷりのライ麦を練り込み、しっかりした食感と酸味を持つ黒パンを使用するのがポイントです。

旬食材、アスパラガスの扱い方を学ぶ

今回紹介してくれたのは、春の素材、グリンピースとアスパラガスの青みのある清々しい風味を盛り込んだ一品です。「フランス料理の中で、アスパラガスは主役になりえる春の食材。皮をむくときには薄く、その他の工程でも丁寧に扱います。むいた皮も無駄にせず、湯に入れて一緒にゆでれば、より風味が保てます」。ひもでアスパラガスを束ね、根元部分に先に火を通すことで穂先側の食感もしっかりキープできます。

火を入れたアスパラガスだけでなく、生のものをトッピングして2種類の香りと食感を盛り込んでいるのがこのレシピの特徴。トッピング用は、リボン状にカットするとより美しく仕上がります。ボウルの上にスライサーを置くなどして、素材同士がぶつかって途中で折れたりしないように注意しましょう。

スライスした黒パンにグリンピースのピューレを塗り、具材を重ねていきます。マヨネーズは数か所に少量ずつ。「スモーブローの盛り付けは自由」という紺野さん。パンから具がはみ出しても、例えばソースを思いっきりふりかけてもOK。「大胆さも魅力のひとつ」。なので、仕上げは皿の上で行うと、作業が楽なだけでなく、具が落ちたり、ソースが垂れても気にすることなく盛り付けの作業自体を楽しめます。

キリッと冷えたワインを用意すれば、休日のブランチにもぴったりのスモーブロー。今回の具に旨みの強いチーズやエビなどをプラスしても美味しい。自由度が高い料理なので、相性の良い組み合わせにチャレンジしてみましょう。

2019年04月23日

レシピ作成
「オルガン」紺野真シェフ
調理時間
40分 ※内準備時間0分

材料4人分

アスパラガス
5本
ベーコン(5mmのさいの目に切る)
40g
黒パン(5mm厚さに切る)
4枚
4個
クレイジーピー(グリンピースの芽/好みのドレッシングで和える)
適量
ピューレ用グリンピース(15分茹でる)
80g
飾り用グリンピース(12分茹でる)
20g
【A(以下の材料を混ぜ合わせる)】
・レモン汁
小さじ1/2(2ml)
・水
15ml
・塩
1g
塩、こしょう、マヨネーズ、オリーブオイル
各適量

手順

  1. 1

    アスパラガス4本を茹でる。アスパラガスの下2/3くらいの皮をピーラーで薄く剥き、ひもで束ねる。鍋にたっぷりの湯を沸かし、剥いた皮を入れて香りを出す。束ねたアスパラガスの根本を下にして立てた状態で30秒、寝かせて2分ほど固めに茹でて氷水に放つ。残りのアスパラガス1本はスライサーで縦に薄くスライスし、氷水に放ち、しっかり水気を切る。

  2. 2

    1の茹でたアスパラガス4本分の水気をペーパーで取り、固い根本を1cmほど切り落として2cm厚さの斜め切りにする。

  3. 3

    フライパンを火にかけてオリーブオイルを熱し、軽く塩を振りベーコンと2を軽くソテーする。

  4. 4

    グリンピースのピューレを作る。鍋に湯を沸かしてグリンピースを15分茹で、ざるにあげて水分を切り、Aを加えてハンドブレンダーでやや粒が残るくらいに攪拌する。

  5. 5

    卵を半熟にゆでる。常温に戻した卵を沸騰した湯に入れ、5分30秒ゆで、すぐ引き上げ、流水に当てながら殻をむく。

  6. 6

    黒パンに4を塗り、3をのせてマヨネーズをのせる。その上に半分にカットしたゆでたまご、スライスしたアスパラガス、飾り用のグリンピースとクレイジーピーをトッピングし、軽く塩・こしょうを振って味を調える。

撮影/大木慎太郎 取材・文/木村千夏

関連商品
アスパラガスの青みのある香りが主役のスモーブローに合わせたのは、ソーヴィニヨン・ブラン主体の南仏ワイン「アントナン・アゾーニ/ル・レザン・エ・ランジュ・ブラン ネジュマ2017」」。たっぷり太陽の光を浴びて育ったブドウの充実した旨味に、ほのかなハーブの香りが春素材の清々しさとマッチ。

シェフ紹介
紺野 真(コンノ マコト)さん
東京都生まれ。学生時代に渡米し、アルバイトを経験したことがきっかけで飲食の世界に。帰国後、カフェやビストロで修業を積むなかでヴァン・ナチュールに出合い、その味わいに魅了される。2005年に三軒茶屋に「uguisu」をオープンして独立。11年には西荻窪に「organ」を開業。「なぜかワインがおいしいビストロの絶品レシピ」(サンマーク出版)など著書も人気。

SHOP INFORMATION
店名: オルガン
住所: 東京都杉並区西荻窪南2-19-12
Tel: 03-5491-5338
営業時間: 17:00~24:00(23:00L.O.)
定休日: 月・第4火曜日
エリア: 東京・西荻窪