五味薬味と武蔵野うどん

料理教室を主宰する人気料理家の「とっておきの一皿」をご紹介する連載。Kai House Club会員でもある先生方が考案する、教室でも生徒さんから大好評だったオリジナルレシピや、自身にとっても思い入れの深い一品をお届けします。毎日の食卓からおもてなしにまで活躍する、季節感やトレンドを感じられる自慢の味をぜひ試してみてください。

時短&簡単&美味しい! 三拍子そろったヘルシーうどん

上質で伝統的な調味料を使った家庭料理に定評がある金垣智香子さん。食欲が落ちてしまう季節にも美味しくいただける「五味薬味とともに 武蔵野うどん」を教えてくれました。たっぷりの具材が入った風味豊かなつけ汁と、薬味たっぷりでいただく武蔵野うどんは、栄養バランスも抜群です。

「武蔵野うどんは、ざるうどんを具がたっぷり入った温かいつけ汁でいただく武蔵野地方の郷土料理のこと。祖母がよく作ってくれていた思い出の味で、我が家の夏の定番メニューです。麺類ではなかなか摂取できないビタミンB群ですが、つけ汁に豚肉を入れることで無理なく摂取することができます。」

美味しく作るコツはありますか?

「作り方は簡単なので、ぜひ調味料にこだわってみてください。醤油は、昔ながらの製法で滋味深い味わいの〈三ツ星醤油〉、飲めるみりんとも言われる〈福来純本みりん〉、かつお節は、〈伏高〉のものを使っています。質のいい調味料を使うと、ワンランク上の味わいに仕上がります」

材料を無駄なく使うアイディアや、レパートリーの広げ方を教えてください。

「五味薬味は、ペーパータオルを敷いた保存容器に入れておけば、冷蔵庫で2〜3日は保存できるので、時間があるときにまとめて作っておくと便利です。麺類の薬味としてはもちろん、豚しゃぶや冷奴にもよく合いますよ。天つゆは、これをベースに炊き込みご飯にしたり、残り野菜にかけてレンチンすると、あと1品がすぐ完成します。天つゆに使った削り節は、平皿に並べ、電子レンジで様子を見ながら30秒ずつ加熱してカリカリにしておくと、ふりかけになりますよ」

たっぷりの薬味とともに、自家製天つゆでいただく武蔵野うどん。具にはしいたけやねぎ、豚肉の代わりに油揚げを使ってもコクが出て美味しくなります。一皿で栄養満点の麺料理は、夏のランチにおすすめです。

2020年08月6日

レシピ作成
金垣智香子さん
調理時間
15分 ※内準備時間0分

材料4人分

武蔵野うどん

冷凍うどん
4玉
なす
1本
豚薄切り肉
100g
A
自家製天つゆ(材料は下記参照)
300ml
300ml

五味薬味

生姜
1片
みょうが
2〜3個
大葉
10枚
青ネギ
1/2束
かいわれ大根
1パック

自家製天つゆ(500ml分)

みりん
100ml
醤油
100ml
400ml
削り節(だしを取ったあとの削り節でも可)
ひとつかみ

手順

下準備

  1. 1

    五味薬味を作る。生姜と大葉はせん切り、みょうがは縦半分に切って、繊維をたつように薄切り、青ネギは小口切り、かいわれ大根は1cm長さに切る。すべて氷水にさらし、シャキッとしたらよく水切りをする。

  2. 2

    自家製天つゆを作る。鍋にみりんを入れて中火にかける。沸騰したら、醤油と水、削り節を加える。再び沸騰したら火を止める。保存容器に茶こしでこしながら入れる。*冷蔵庫で1週間保存可。保存袋に入れて、冷凍庫で保存可。

作り方

  1. 1

    なすは、縦半分に切ってから薄切りにする。豚肉は、1cm幅に切る。

  2. 2

    つけ汁を作る。鍋に A の調味料と1の具材を入れ、強火で加熱する。沸騰したら弱火にして5分ほど煮る。

  3. 3

    冷凍うどんはレンジで解凍してから水にさらし、ザルにあげて水気をきる。

  4. 4

    うどんを皿に盛り付け、つけ汁と五味薬味を添えていただく。

撮影/佐藤朗 スタイリング/綱渕礼子 取材・文/岡井美絹子

PROFILE

金垣智香子さん

東京都杉並区にある「料理教室 indigo」を主宰。毎日食べても飽きない、家族みんなが喜んでくれる家庭料理が得意です。“家庭の料理は調味料で美味しくなる”をモットーに、上質な調味料を求めて生産者の元を訪ねることも多く、日々見識を深めているそうです。レッスンは、完全マンツーマンのオーダーメイド方式で、何を学びたいか、何を作りたいかなど、自分好みでリクエストできます。3回基礎コース37,500円、6回72,000円、12回138,000円。予約はHPから。

https://indigo-cooking.com