バカリャウの卵焼き

2018年08月13日

毎日食べても飽きないポルトガルの家庭料理

地元の食材や伝統料理を大切にし、本来の食文化を守るスローフードの概念が根付くポルトガル。そんなポルトガル料理の魅力を伝える東京・富ヶ谷のレストラン「クリスチアノ」のオーナーシェフ・佐藤幸二さんに教わるポルトガル料理の第2弾。今回は、ポルトガルの国民食として日本でもその名が浸透しつつある「バカリャウ」を使った卵焼きを学びます。

「バカリャウ」は塩漬けにしたタラの干物で、ポルトガルをはじめヨーロッパ各地で広く愛されています。今回作る「バカリャウ・ア・ブラッシュ」は、ほぐしたバカリャウとフライドポテト、玉ねぎを卵でとじたポルトガルの定番料理。シンプルながら具材のうま味がしみ渡る、ごちそう感たっぷりの卵焼きです。

卵は半熟に仕上げるのが鉄則


具材のじゃがいもは、少し太めの千切りに。千切り器があると便利ですが、市販のファストフードのフライドポテトで代用してもOKです。

日本ではバカリャウを入手しにくいため、干しダラで代用します。うま味を補うため、調味料にナンプラーを加えるのが佐藤シェフ流。

卵は最後に加え、固く焼かずに半熟に仕上げるのがこの卵焼きのポイント。割り入れた卵は手早く全体に絡め、10秒ほど経ったら火から下ろし、それ以降は余熱で火を通しましょう。お好みでマッサ・デ・ピメンタオン(赤パプリカペースト)を掛けてもおいしくいただけます。

ポルトガル語では「バカリャウ・ア・ブラシュ」という名で親しまれている「バカリャウ(干しダラ)の卵焼き」。熟成したタラのうま味が他の具材に浸透し、素朴ながら味わい深いポルトガルの家庭料理です。

2018年08月13日

レシピ作成
「クリスチアノ」佐藤幸二シェフ
調理時間
30分 ※内準備時間0分

材料4人分

じゃがいも(太めの千切り)  
200 g
干しダラ  
30 g
卵 
1個

A

玉ねぎソフリット(※材料と作り方は下記参照)
40 g
にんにく(粗くすりおろす)  
5 g
ブラックオリーブ(半分に割る)
15 g
ナンプラー  
大さじ2/3
オリーブオイル 
大さじ1
チキンストック(顆粒のチキンスープの素を表示通りに湯で溶く) 
100 cc
パクチー(粗く刻む) 
5 g
塩 
こしょう 

玉ねぎソフリット

玉ねぎ 
適量
塩 
適量
オリーブオイル 
大さじ1

手順

下準備/干しダラを塩抜きする

  1. 1

    干しダラは、ときどき水を変えながら、一晩~1日以上水に浸けて塩抜きする。皮と骨を取り除いてほぐす。

下準備/玉ねぎソフリットを作る

  1. 1

    角切りにした玉ねぎに薄く塩を振りかけて揉み、タッパーなどに入れてラップをし、電子レンジ(500W)で2分加熱する。オリーブオイル大さじ1を回しかけて混ぜ、冷蔵庫で30分ほど寝かせる。

作り方

  1. 1

    千切りにしたじゃがいもは180℃の油で素揚げする。こんがりきつね色になったら取り出し、油を切る。

  2. 2

    大きめのフライパンに戻した干しダラとAを入れ、中~強火にかけて沸騰させる。沸いたら中火にし、1を入れる。

  3. 3

    ヘラなどで中央部分を開けたら弱火にし、そこに卵を割り入れて手早く全体を混ぜ合わせる。卵が少し白くなったら火から下ろし、余熱で火を通しながら卵を全体に絡める。

撮影/川上輝明 取材・文/江原裕子

愛用道具
大量の野菜の千切りがラクにできる「SELECT100 太千切り器」(貝印)。より良く切れる特殊クランク刃付けで、“押す”と“引く”の両動作で調理できるので、スピーディーに作業ができます。料理頻度の高い千切りサイズの3mm幅。

シェフ紹介
佐藤幸二(サトウ コウジ) さん
1974年、埼玉県生まれ。調理師専門学校卒業後、「ANAインターコンチネンタルホテル東京」にてキャリアをスタート。1996年に渡欧し、イタリア、イギリス、タイなどで計6年働いたのちに帰国。東京・渋谷松涛の「AROSSA」を経て、2010年にポルトガル料理&ワインバー「クリスチアノ」を開業。現在、魚料理中心の2号店「マル・デ・クリスチアノ」、ポルトガル菓子専門店「ナタ・デ・クリスチアノ」など、合わせて6店舗の飲食店を営む。

SHOP INFORMATION
店名:クリスチアノ
住所:東京都 渋谷区 富ヶ谷1-51-10
Tel:03-5790-0909
営業時間:18:00~26:00(L.O.24:00)、日・祝~24:00(L.O.23:00)
定休日: 無休
エリア:富ヶ谷・東京都