にんじんとオレンジのサラダ

2018年08月20日

甘味と酸味のゴールデンバランスがクセになる

東京・富ヶ谷のポルトガル料理&ワインバー「クリスチアノ」のオーナーシェフ・佐藤幸二さんに教わるポルトガル料理の最終回。今回は、同系色の野菜とフルーツを使った「にんじんとオレンジのサラダ」を作ります。

数ある柑橘フルーツのなかで、世界的に生産量が多いオレンジ。ポルトガルではその7割近くが南部のアルガルヴェ地方で栽培され、カフェなどでは搾りたてのオレンジジュースを楽しむことができます。料理にもよく使われ、その酸味と甘みが料理に甘酸っぱい風味を与えてくれます。

今回作る「にんじんとオレンジのサラダ」は、フランス家庭料理のキャロット・ラペの親戚のような印象ですが、パクチーとクミンシードの香りが効いていてちょっぴりエスニックテイスト。甘酸っぱくて食欲がないときにもさっぱりと食べられるので、作り置きにもおすすめです。

手で揉み込むように混ぜ、味を全体になじませる


細切りにするにんじんの太さはお好みで。にんじんがたっぷり食べられる料理なので、にんじんに豊富に含まれるベータカロテンによって、免疫力アップや抗酸化作用も期待できます。

主役のにんじんとオレンジに、トマト、玉ねぎ、クミンシード、パクチーなどを加えることで、風味の複雑さがアップ! オレンジは別にしておき、すべての具材をよく混ぜ合わせてから最後に加えるのが、全体の風味と食感をベストバランスに仕上げるポイント。

「サラダは、口の中に入れたときに角が立つとおいしいと感じないんです」と話す佐藤シェフ。このため、具材を混ぜるときに手で揉むようにすると角が取れて味わいがやわらかくなり、ドレッシングがにんじんによく浸透します。

にんじんが甘いフルーツのように感じられる「にんじんとオレンジのサラダ」。具材にドレッシングを手で揉み込むことで、野菜の切り口の角をなくしながら、オレンジ果汁の甘酸っぱい風味を移していきます。

2018年08月20日

レシピ作成
「クリスチアノ」佐藤幸二シェフ
調理時間
20分 ※内準備時間0分

材料4人分

にんじん(細~太千切り)  
80g
トマト(さいの目切り)  
40g
マッサ・デ・ピメンタオン(赤パプリカペースト)(※市販品でも可、材料と作り方は下記参照)
5g
黄パプリカ酢漬け(※材料と作り方は下記参照)
10g
クミンシードオイル漬け(※材料と作り方は下記参照)
3g
玉ねぎソフリット(※材料と作り方は下記参照)
30g
赤ワインビネガー  
5g
オリーブオイル  
10g
はちみつ
15g
パクチー(粗く刻む)
5g
オレンジ果汁 
1/8個分
オレンジスライス 
1/8個分
塩 
ひとつまみ

マッサ・デ・ピメンタオン(赤パプリカペースト)

赤パプリカ
適量
あら塩
適量

黄パプリカ酢漬け

黄パプリカ
適量
白ワインビネガー
適量
適量

クミンシードオイル漬け

クミンシード
適量
オリーブオイル
適量

玉ねぎソフリット 

玉ねぎ
適量
適量
オリーブオイル
適量

手順

下準備/マッサ・デ・ピメンタオンを作る

  1. 1

    パプリカを1/4サイズにカットして、種とヘタを取る。赤パプリカ1個につき大さじ1程度のあら塩をまぶし、ジッパー付ポリ袋に入れたら中の空気を抜いて閉じ、冷蔵庫へ入れる。

  2. 2

    出てきた水分をときどき捨てながら、冷蔵庫で2日~2週間ほど寝かせる。フードプロセッサーやハンドブレンダーなどでペースト状にして、煮沸消毒した瓶などに詰めて保存する。

下準備/黄パプリカ酢漬けを作る

  1. 1

    パプリカは千切りにしてうす塩で揉み、軽く絞ってから白ワインビネガーに1日漬け込む。使うときにみじん切りにする。

下準備/クミンシードオイル漬けを作る

  1. 1

    クミンシードをひたひたのオリーブオイルに入れて、電子レンジで2分加熱する。

下準備/玉ねぎソフリットを作る

  1. 1

    角切りにした玉ねぎに薄く塩を振りかけて揉み、タッパーなどに入れてラップをし、電子レンジ(500W)で2分加熱する。

  2. 2

    オリーブオイル大さじ1を回しかけて混ぜ、冷蔵庫で30分ほど寝かせる。

作り方

  1. 1

    スライスしたオレンジ以外のすべての材料をボウルに入れる。手でしっかり揉み込むようにしながら混ぜる。

  2. 2

    オレンジを加え、ひと混ぜする。お好みでマッサをかける。

撮影/川上輝明 取材・文/江原裕子

愛用道具
野菜や果物の皮むきに便利な「関孫六 フレキシブルナイフ」(貝印)。刃がしなる構造なので、骨に沿っての切り分けがしやすく、魚の三枚おろしや骨付き肉の下ごしらえにも最適です。

シェフ紹介
佐藤幸二(サトウ コウジ) さん
1974年、埼玉県生まれ。調理師専門学校卒業後、「ANAインターコンチネンタルホテル東京」にてキャリアをスタート。1996年に渡欧し、イタリア、イギリス、タイなどで計6年働いたのちに帰国。東京・渋谷松涛の「AROSSA」を経て、2010年にポルトガル料理&ワインバー「クリスチアノ」を開業。現在、魚料理中心の2号店「マル・デ・クリスチアノ」、ポルトガル菓子専門店「ナタ・デ・クリスチアノ」など、合わせて6店舗の飲食店を営む。

SHOP INFORMATION
店名:クリスチアノ
住所:東京都 渋谷区 富ヶ谷1-51-10
Tel:03-5790-0909
営業時間:18:00~26:00(L.O.24:00)、日・祝~24:00(L.O.23:00)
定休日: 無休
エリア:富ヶ谷・東京都