甘味と酸味のゴールデンバランスがクセになる
東京・富ヶ谷のポルトガル料理&ワインバー「クリスチアノ」のオーナーシェフ・佐藤幸二さんに教わるポルトガル料理の最終回。今回は、同系色の野菜とフルーツを使った「にんじんとオレンジのサラダ」を作ります。
数ある柑橘フルーツのなかで、世界的に生産量が多いオレンジ。ポルトガルではその7割近くが南部のアルガルヴェ地方で栽培され、カフェなどでは搾りたてのオレンジジュースを楽しむことができます。料理にもよく使われ、その酸味と甘みが料理に甘酸っぱい風味を与えてくれます。
今回作る「にんじんとオレンジのサラダ」は、フランス家庭料理のキャロット・ラペの親戚のような印象ですが、パクチーとクミンシードの香りが効いていてちょっぴりエスニックテイスト。甘酸っぱくて食欲がないときにもさっぱりと食べられるので、作り置きにもおすすめです。
手で揉み込むように混ぜ、味を全体になじませる
細切りにするにんじんの太さはお好みで。にんじんがたっぷり食べられる料理なので、にんじんに豊富に含まれるベータカロテンによって、免疫力アップや抗酸化作用も期待できます。
主役のにんじんとオレンジに、トマト、玉ねぎ、クミンシード、パクチーなどを加えることで、風味の複雑さがアップ! オレンジは別にしておき、すべての具材をよく混ぜ合わせてから最後に加えるのが、全体の風味と食感をベストバランスに仕上げるポイント。
「サラダは、口の中に入れたときに角が立つとおいしいと感じないんです」と話す佐藤シェフ。このため、具材を混ぜるときに手で揉むようにすると角が取れて味わいがやわらかくなり、ドレッシングがにんじんによく浸透します。