人気店のシェフに2つのレシピを教えてもらう連載企画。旬の食材を使ったレシピと、プロの技のレシピをご紹介していきます。今回はフランス料理『レストランオカダ』の岡田宏シェフ。旬のレシピ「天草産天然マナガツオと夏野菜のソテー アスパラガスのハーブソース」を教えていただきました。日本の旬を感じる、魚介を使ったひと皿です。
魚介で旬を感じられるのは、日本ならでは。
その喜びを料理に込めて
岡田シェフが取り寄せている魚介類は、山口、鳥取、天草の3か所から。いずれも自ら現地を訪ね、卸の業者の方々と直接コミュニケーションを取って、お互いに信頼できる関係を築いたうえで取引しています。
「日本でフランス料理を作る楽しみの一つに、魚介類の多彩さがあります。全国各地に漁場があって近海ものの種類も豊富、だから新鮮な状態で楽しめる。これは、海に囲まれている日本ならではです。季節ごとに魚種も違ってくるので、魚介類で旬を表現できる面白さがある。僕がお付き合いさせていただいている山口の萩、鳥取、熊本の天草の3か所の産地は、魚介類の質の高さはもちろん、素朴な土地柄で、美しい自然に恵まれているのも共通点。プライベートで旅行しても、おいしいものがたくさんあって楽しい。そして、旬ごとに個性的な魚介類がある。たとえば、寒い時期の山口のやりいかは身の甘さが断トツ、鳥取のもさえびは春が旬で弾力と甘味がしっかり、天草は夏が極上の天然甘えび、冬場は何もしなくても本当においしいくえなど。どれも届くのが待ち遠しい素材です。ほかにも季節ごとにいろんな魚介類を届けてもらいますが、箱を開けて新鮮な美しい魚を見ながら、さてどんな風に料理しようかと考える時間は一番楽しくもあり、季節を実感できる瞬間でもあります」
まず、ポテトピュレを作る。じゃがいもは蒸して皮をむき、熱いうちにつぶす。牛乳、生クリーム、バター、塩を鍋に入れて温め、じゃがいもが温かいうちに加えてよく混ぜる。
マナガツオは3枚におろし、皮目に小麦粉を振る。フライパンにオリーブオイルとバター5gを中火で熱し、バターが溶けたらマナガツオの皮目を下にしておき、バターソースをスプーンですくって身に何度も回しかけながら焼く。皮目がこんがりしたら取り出す。同じフライパンに下茹でしたオクラ、カリフラワー、スティックセニョール、ヤングコーンを入れて炒める。
フライパンにアスパラガスとバター10gと魚介スープストックを加えて中火で熱し、トマトを加えて軽く煮て、タイム、エストラゴンを刻んで加え、ソースにする。
器にポテトピュレを敷き、マナガツオをおく。野菜を盛り付け、仕上げにアスパラガスのハーブソースをかける。