料理のプロフェッショナルにレシピの極意を教わる連載。料理教室を主宰する「料理の先生」による、リクエスト率ナンバーワンの人気レシピを紹介します。おいしさはもちろん、生徒たちに愛される理由が満載のメニューに隠れた秘密を探ります。
盛春野菜のパワーを食べる!
かつては、使用される高級食材やこってりしたソースなど、日本ではひとくくりのステレオタイプで語られることも多かったフレンチですが、現在では「多様性に富み、ヘルシーにもガストロノミックにも展開できるジャンルであ」るという理解が深まってきました。フランス料理にも伝統料理、地方料理、そしてもちろん流行があり、風土や時代によってバラエティー豊かなメニューが培われるようになったのです。
そんなフランスの料理と菓子を多面的に学び、教えているのが料理家の秋田志保さん。神奈川県横浜市で料理教室「L’atelier de Shiho Akita(ラトリエ・デュ・シホ・アキタ)」を主宰し、クラシックなレシピから郷土料理、さらには毎年フランスに足を運んで習得する最先端の料理やお菓子まで、リアルなフランスの食文化と共に伝えています。
今回は秋田さんの料理教室で人気のレシピから、春野菜を使った「アスパラガスとフェタチーズのシガール」を教えてもらいました。
「アスパラガスとフェタチーズ、ブラックオリーブを春巻きの皮で巻き、油で揚げた料理です。皮に巻いて火を通すことで、アスパラガスの旨味と香りが閉じ込められます。アスパラガスとオリーブの相性が抜群なんです」
フェタチーズの塩気を調味料にしたアイデア料理。生徒たちは、ひと口食べて「おいしい!」と思わず発してしまう好感触だそうで、「アスパラガスが、茹でるよりも甘味が一層強く感じられて、しかもよりジューシーなのにびっくり!」「春巻きの皮のパリパリ感とアスパラガスのホクホク感のハーモニーがたまらない」「冷めてもおいしいから、お弁当のおかずにも活躍しています」とその味わいを絶賛! また、「つまんでパクパク食べられるからアペリティフにもぴったり」「見た目が可愛くて春らしいので、ギャザリングのときに作りたいです」とそのルックスも支持されているようです。
レシピを見ればわかるように、作り方は至ってシンプル。食材の組み合わせや調味料使いでおいしく作れる、プロの技が光る一品です。
「アスパラガスは、揚げたときにチーズが流れ出ないように、しっかりきつく巻きましょう。アスパラガスの穂先が少し出るように巻くと、仕上がりが可愛らしくなります。揚げた後にカットするときは、春巻きの皮が崩れないように注意しながら、一気に押し切りしてください」