鶏レバーの赤ワイン煮込み

料理のプロフェッショナルにレシピの極意を教わる連載。料理教室を主宰する「料理の先生」が、リクエスト率ナンバーワンの人気レシピを紹介します。おいしさはもちろん、生徒たちに愛される理由が満載のメニューに隠れた秘密を探ります。

>>おしゃれでおいしいレシピはまだまだこちらでも!

ワインで集まる日のおもてなし料理

手に入りやすい食材を使った「作りやすい手順の丁寧なレシピ」を信条に、再現しやすいおしゃれなフレンチを教えている料理家の宇山民枝さん。「ル・コルドン・ブルー」で学んだフランス料理を家庭で作りやすいようにアレンジし、“教室で作って試食して終わり”ではなく、生徒たちが自宅でも作れるようなレシピを伝えることを、何よりも大切にしています。

そんな宇山さんの料理教室「Tammy’s kitchen(タミーズキッチン)」で生徒からの支持率が特に高い料理が、「鶏レバーの赤ワイン煮込み、もち麦と焼きカマンベールのホットサラダ」。しっかり臭み取りをしたレバーを、カルダモンの香りをつけた赤ワインでやわらかく煮て、内側がトロリとなるまで焼いたミニカマンベールとプチプチ食感のもち麦を合わせた、栄養バランスにも優れたレシピです。

この料理を習って試食した生徒たちからは、「味がいいのはもちろんお気に入りポイントですが、レバーの鉄分やもち麦の食物繊維など、栄養面でも体にいいというのがうれしいです」「レバーはあまり得意ではなかったけれど、このやわらかさと香りならおいしく食べられます」「この組み合わせなら、(ワインが)エンドレスで飲めます!」といった声が聞かれるそうです。

「レバーは新鮮なものを使い、下処理をしっかりすること。赤ワインでマリネして臭みを取ることで、短時間の煮込みでも赤ワインの香りがしっかり効いたレバー煮になります。また、火を通す時間が短くて済むので、レバーがやわらかく仕上がります」

この秋、日本ソムリエ協会認定「ワインエキスパート」を取得したワイン通の宇山さんに、「鶏レバーの赤ワイン煮込み」に合うおすすめワインも教えてもらいました。

「濃厚でコクと甘みのあるレバーの赤ワイン煮込みには、果実味が豊富なグルナッシュ、スパイシーなカリニャンやシラーを使ったワインが合うかと思います。通常レッスンでは、スペインの『グラン・サングレ・デ・トロ』を、貸切りのレッスンではフランスのコート・デュ・ローヌ産のグルナッシュとシラーのブレンドを合わせました」

このレシピをマスターしたら、ホームパーティはもちろん自宅でのディナータイムがグンと楽しくなりそうですね。宇山さんの工夫がいっぱいつまった「鶏レバーの赤ワイン煮込み」、皆さんもぜひ作ってみてください。

鶏レバーをカルダモンで香り付けした赤ワインで煮ることで、短時間でやわらかく風味豊かに仕上げることができるレシピ。焼きカマンベールともち麦のホットサラダを添え、食感の楽しさと栄養バランスも考え抜かれた一皿です。

2018年11月26日

レシピ作成
「Tammy's kitchen」宇山民枝さん
調理時間
30分 ※内準備時間0分

材料4人分

鶏レバー
350g
もち麦
80g
オリーブオイル
大さじ2
カボチャの種(ロースト)
15g
ヘーゼルナッツ(ロースト)
20g
紫玉ねぎ(スライス)
1/3個
ミニカマンベールチーズ(1個25g)
4個
適量
こしょう
適量

A

赤ワイン
100cc
はちみつ
大さじ1
ローリエ
1枚

B

赤ワイン
150cc
はちみつ
大さじ2
バルサミコ酢
大さじ3
しょうが(薄切り)
20g
カルダモン
2粒

C

赤ワインビネガー
大さじ1
粒マスタード
小さじ2
イタリアンパセリ(みじん切り)
適量

手順

  1. 1

    レバーの赤ワイン煮を作る。レバーは白っぽい筋を切り捨て、血管を断ち切るようにやや大きめの一口大にカットし、氷水の中で揺すり洗いをして血の塊を取り除く。水気を切り、Aと一緒にボウルに入れ、冷蔵庫で一晩マリネする。ざるにあげて流水で軽く洗い、水気をよく切る。

  2. 2

    鍋にBの材料と塩、こしょうを適量入れて沸騰させ、1のレバーを入れる。弱火で 6~7分煮たら一旦レバーを取り出し、鍋に残った煮汁を煮詰める。煮汁にとろみがついたらレバーを戻し入れて温め直し、仕上げにこしょうをふる。

  3. 3

    もち麦の付け合わせを作る。鍋に塩分濃度5%の湯1リットルを沸かし、もち麦を入れてやわらかくなるまで茹でたらざるにあげ、流水で洗って水気を切る。

  4. 4

    別の鍋にオリーブオイルを熱し、3のもち麦、かぼちゃの種、ヘーゼルナッツを入れて軽く炒める。さらに紫玉ねぎを加えてさっと炒め、Cを加えて混ぜ、塩・こしょうで味を整える。

  5. 5

    カマンベールチーズは、フライパンで両面に焼き色がつくまで弱火で焼く。

  6. 6

    皿にもち麦、カマンベールチーズ、レバーの赤ワイン煮込みの順に盛り付ける。

撮影/神林環 スタイリング/小坂桂 取材・文/江原裕子

PROFILE
宇山民枝(ウヤマ タミエ)さん
東京都出身。料理家、日本ソムリエ協会認定「ワインエキスパート」。2010年、ル・コルドン・ブルー代官山校にて料理上級コースをトップの成績で卒業。在日フランス大使館厨房にて研修後、2011年より自宅にてデモンストレーション形式のフランス料理教室「Tammy’s kitchen(タミーズキッチン)」を主宰。自宅教室のレッスンのほか、外部講師、メディアやメーカーへのレシピ提供なども行っている。
 

LESSON INFORMATION
教室名: Tammy’s kitchen(タミーズキッチン)
手に入れやすい食材を使った「美味しく、おしゃれで、作りやすい」フレンチを、光あふれるオープンキッチンにてデモンストレーション形式で教える。入会金不要で、テーマは季節の食材を取り入れた月替わりの単発レッスン。平日デイタイム・週末デイタイム・平日ナイトレッスンがあり、いつでも好きなときに受講できる。
エリア: 東京都国分寺市
URL: http://tammyskitchen.jimdo.com/