料理教室を主宰する人気料理家の「とっておきの一皿」をご紹介する連載。教室でも生徒さんから大好評だったオリジナルレシピや、自身にとっても思い入れの深い一品をお届けします。毎日の食卓からおもてなしにまで活躍する、季節感やトレンドを感じられる自慢の味をぜひ試してみてください。
チェック柄のおしゃれな断面! カットすると歓声が上がるケーキ
2月といえば、バレンタイン。今回は、チョコレートを使ったユニークなケーキを、心と身体にやさしいお菓子教室「K’sフレーバ」を主宰する藤田圭子さんに教わりました。
「ホールでは普通のチョコレートケーキに見えるのですが、カットするとびっくり!中身はかわいいチェック柄のケーキなんです。生徒さん達も、“この面白いケーキはどうやって作るの?”とみなさん興味津々で、作ってみたいとリクエストが多いケーキです。私自身もこのケーキが習いたくて、レッスンを受けた思い出の味です。今回は、大人っぽい味になるようスパイシーにアレンジしました。数種類のスパイスを使いましたが、シナモンだけでも十分美味しくできますよ」
一見するとすごく難しそうですが、作り方のポイントを教えてください。
「一つの生地をベースに、二つのフレーバーを作ってそれぞれ焼き、セルクルで抜いて組み合わせることでチェック柄をつくっていくケーキなので、組み立て方さえわかれば難しくはありません。
ベースの生地はパウンドケーキ生地なので、しっかりと空気を混ぜ込むことが大切です。チョコレート生地はカカオマスを加えますが、必ず人肌まで冷ますこと。熱いままだと生地が溶けて、膨らみにくくなり、厚みが出ません。また、割れやすい生地ですが、ガナッシュが接着剤がわりになるので、失敗がカバーできるところはメリットですね。要領がわかれば、応用できるので楽しんでもらえたらと思います。チョコのかわりに抹茶やストロベリーチョコでアレンジしても楽しいですよ。もし、生のおからがあれば、アーモンドパウダーのかわりに使うのもおすすめ。しっとりした食感になり、罪悪感なくいただけます」
材料15cmの丸型1台分
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無塩バター
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140g
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砂糖
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120g
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溶き卵
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3個
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A薄力粉(シナモン・ナッツメグ・クローブ・ジンジャー各小さじ1/4と合わせて)
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140g
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アーモンドパウダー
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60g
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ベーキングパウダー
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1.5g
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塩
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ひとつまみ
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牛乳
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大さじ1
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カカオマス
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40g
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生クリーム(35%)
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150 g
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Bクーベルチュールチョコレート(スイート)
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80g
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Bカカオマス(なければチョコレートで代用可)
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40g
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ラム酒
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小さじ2
手順
下準備
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1
Aの粉類は合わせて振るっておく。
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2
ボウルにカカオマスを入れ、湯煎して粗熱をとっておく。
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3
15cmの丸型を2つ用意し、それぞれ底と側面に型紙を敷く。
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4
オーブンを180℃に予熱する。
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5
4番(直径約4cm)、8番(直径約7.5cm)、12番(直径約11cm)のセルクルを用意する。
作り方
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1
ボウルにバターを入れ、ゴムベラでよく練る。柔らかくなったら、泡立て器に持ち替え、砂糖を3回に分けて加え、その都度よく混ぜて空気を含ませる。よく混ざったら、溶き卵を少しずつ加えて乳化させる。
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2
振るった粉類を2回に分けて加え合わせ、塩、牛乳を加える。
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3
型に、2の生地から320g を取り出して、流し入れる。表面は、ゴムベラで真ん中をややへこませて整える。
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4
残った2の生地は、湯煎して粗熱をとったカカオマスを加えて混ぜ合わせ、別の15cmの丸型に流し入れ、同様に真ん中をへこませて表面を整える。
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5
2つの型を180℃のオーブンに入れ、20分前後焼く。
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6
焼き上がったら型から取り出し、網にのせて粗熱をとる。粗熱がとれたら、バニラ生地とチョコレート生地をそれぞれ横半分にカットする。表面に膨らんだ部分があったら取り除く。
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7
パーツを組み立てる。4番、8番、12番のセルクルで、バニラ生地とチョコレート生地をそれぞれ円形にくり抜き、4つのパーツにする(ドーナツ形の生地が各6つ、小さな丸型の生地が各4つできる)。
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8
7のバニラ生地とチョコレート生地を交互にはめ合わせ、4枚のケーキ生地にする。
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9
生クリームを沸騰直前まで温め、Bを加えて溶かし、ラム酒を加えてガナッシュを作る。ナッペができるかたさまで冷ます。
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10
7の生地の切り口に9を塗り、バニラ生地とチョコレート生地が交互になるように重ねる。周りにも9を塗り、デコレーションする。
撮影/佐藤朗 スタイリング/綱渕礼子 取材・文/岡井美絹子