繊細デコレーション 花のカップケーキ

自分で作れたら思わず自慢したくなる話題のレシピ。今回は、カラフルなクリームでお花を絞った“ビジュアルカップケーキ”をテーマに、ケーキ生地とバタークリームの作り方、そしてデコレーションの基本を伝授します。

かわいくておいしいカップケーキの秘密とは?

手のひらサイズのケーキ生地を、クリームやトッピングで美しくデコレーションするカップケーキ。見た目のスペシャル感から特別な材料や道具が必要になるイメージですが、身近な材料や道具に数品買い足すだけで作ることができます。プレゼントやギャザリングにも最適なカップケーキ作りにトライしてみませんか?

今回の先生は『パリのかわいいお菓子づくり』(朝日出版社)の著者で、フランスとイギリスで本場の製菓を学んだカップケーキクリエイターのSAWAKOさん。フランス菓子の洗練された味わいに、イギリス伝統のデコレーション技術を掛け合わせたSAWAKOさんのカップケーキは、おいしさとデザイン性を両立しているのが特長です。土台はオイルを使ったふわふわのバニラカップケーキ生地で、クリームは卵白とグラニュー糖を湯せんしながら泡立てるスイスメレンゲを使った軽い口当たりのバタークリーム。従来のカップケーキとは一線を画す軽い食感と後味になっています。デコレーションは、同じ口金を使って3色のクリームを絞っていき、花が可憐に咲き誇る様子を演出。クリームの色や組み合わせ、絞る花の重ね方を変えれば、一つのテクニックで印象の異なるカップケーキを作ることができます。

ひとつひとつの工程を、丁寧かつリズム良く

バタークリームを着色する際、フードカラーは少量ずつ加えるようにしましょう。一度色を付けると後から薄くすることができないため、1~2滴ずつ加えてその都度色が均一になるまでクリームを混ぜ、好みの色にしていきます。

土台の生地は、一般的なマフィン生地よりも低い温度で焼き上げます。こうすることで、デコレーションに適した形のよい美しいケーキ生地になります。

クリームを絞るときに使用するのは、しずく型にカットされたバラ口金。口金の細い方を外側に向けて半円を描くように1枚ずつ花びら状に絞り、一輪の花を形作っていきます。また、別の色の花を重ねるごとに、大きさを小さくしていくとバランスがよく、可愛らしく仕上がります。

デコレーション用のスイスメレンゲバタークリームは、ふわっと軽くて食べやすい分、とっても繊細。デコレーション中に溶けやすい傾向にあるため、室温は涼しく保ち、テンポよくデコレーションするように心掛けましょう。

 

バニラ香るオイルベースのふわふわなケーキ生地を、口の中でとろけるスイスメレンゲバタークリームでデコレーション。仕上げに、彩りや食感のアクセントとなるトッピング用の砂糖菓子・スプリンクルを飾ります。

2018年05月23日

レシピ作成
カップケーキクリエイター/SAWAKOさん
調理時間
90分 ※内準備時間0分

材料 10個分

ケーキ土台(マフィン)

全卵
1個
グラニュー糖
110g
はちみつ
15g
サラダ油
100g
バニラオイル
適量
無脂肪ヨーグルト
60g
牛乳
25ml
薄力粉
100g
コーンスターチ
50g
重曹
2g

スイスメレンゲバタークリーム

卵白
100g
グラニュー糖
130g
バター(食塩不使用)
450g

デコレーション用

フードカラー(赤、黄、青) 
各適宜
スプリンクル
各適宜

手順

  1. 1

    カップケーキの土台を作る。ボウルに全卵、グラニュー糖、はちみつ、サラダ油、バニラオイルを入れ、無脂肪ヨーグルト、牛乳を順に加えて、その都度泡立て器で混ぜ合わせる。

  2. 2

    薄力粉、コーンスターチ、重曹を合わせてふるい入れ、やさしく混ぜ合わせる。

  3. 3

    できた生地を型に流し入れ、140℃に予熱したオーブンで20分~25分焼く。

  4. 4

    スイスメレンゲバタークリームを作る。卵白とグラニュー糖を混ぜ、50℃になるまで湯せんにかける。

  5. 5

    ハンドミキサーでしっかりと角が立つまで泡立てたら、常温にしたバターと合わせる。

  6. 6

    5を3等分し、それぞれに赤、黄、青のフードカラーを少量ずつ加え、好みの色合いに着色する。

  7. 7

    バラ口金をセットした絞り袋にそれぞれバタークリームを入れる。クリームが入れにくい方は、背の高いコップに袋をセットして入れるとよい。

  8. 8

    口金の細い方を外側に向け、半円を描くように1枚ずつ花びらを絞り出す。1周絞って一輪の花にする。

  9. 9

    別の色のバタークリームが入った絞り袋に持ち替え、同様にして花を絞り、2段または3段にデコレーションにする。スプリンクルを飾ったら完成。

撮影/川上輝明 取材・文/江原裕子

愛用道具
生地作りに便利な「Kai House SELECT ハンドミキサー ターボ付」(貝印)。撹拌効率を高めるために設計されたこだわり形状のビーター(攪拌機)を採用したハンドミキサー。スピーディーな撹拌が可能になり、卵白や生クリームも短時間でふわふわに泡立てることができます。ボタンひとつで取り外せるビーターは本体外側にセットでき、すっきり収納できるのも魅力。

料理家紹介
SAWAKO(サワコ)さん
「ル・コルドン・ブルー東京校」を卒業し、渡英・渡仏。Peggy Porchenをはじめとする複数のスクールにて、本場のシュガークラフト、カップケーキ、イギリス菓子、フランス菓子を習得。帰国後、「お菓子教室Fait Beau Tokyo」主宰。フランス菓子やカップケーキなどのレギュラーレッスンの他、メディアやイベントへの出演、撮影協力、レシピ提供、外国人旅行者へのレッスン等で幅広く活動。

著書紹介
『パリのかわいいお菓子づくり』(朝日出版社刊)