アプリコットのトリュッフ

料理教室を主宰する人気料理家の「とっておきの一皿」をご紹介する連載。教室でも生徒さんから大好評だったオリジナルレシピや、自身にとっても思い入れの深い一品をお届けします。毎日の食卓からおもてなしにまで活躍する、季節感やトレンドを感じられる自慢の味をぜひ試してみてください。

毎年作って贈りたくなる、他では食べられない格別のショコラ

「イグレックのお菓子教室」を主宰する、オーノユウコさんが教えてくれたのは、バレンタインにおすすめの「アプリコットのトリュッフ」です。

「毎年バレンタイン時期になると必ず、生徒さんからリクエストを頂く大人気メニューです。もう7〜8年作り続けているメニューなのですが、毎年これだけは作りたいと、同じ方々から懇願されるほど(笑)。一度プレゼントしたら、お渡しした方から必ずリクエストされるそうで、皆様が毎年せっせと作りにいらっしゃる、スペシャルトリュッフです。尊敬する今や大人気のパティスリーのシェフに教えていただいたレシピを、誰でも作れるようにアレンジしたメニュー。手間はかかりますが、家庭でやる意義があるチョコレートです」

そこまで愛されるメニューはすごいですね。美味しく作る秘訣はありますか?

「これは、アプリコットが味の決め手なんです。使っているのは、フランスのメゾン・ルカディル社のものなんですが、肉厚でとってもジューシー。上質な杏を使っていて、砂糖も添加物も不使用なので、味が全然違うんです。これを使わないと同じ味が出ません。この極上のアプリコットにパッションフルーツ入りのガナッシュを挟むので、本当においしいですよ。

技術的なところでいうと、チョコレートの湯煎のかけ方が重要です。刻んだチョコレートをボウルに入れ、65〜70℃のお湯を入れたボウルで湯煎しますが、チョコレートをかき混ぜないことが大切です。完全にチョコレートが溶けてから、全体を混ぜ合わせます。また、チョコレートの乳化もポイントです。中心から勢いよく混ぜると、一度ザラザラになって分離しますが、そこで諦めずにさらに混ぜると乳化してツヤのあるチョコレートになります。びっくりするくらいの美味しさなので、ぜひ作ってみてください」

セミドライアプリコットのジューシーさと爽やかな酸味に、パッションフルーツの華やかな香りをまとったガナッシュが最高。バレンタインのプレゼントにしたら、来年もリクエストされること間違いなし、他では食べられないショコラです。

2023年02月2日

レシピ作成
オーノユウコさん
調理時間
60分 ※内準備時間0分

材料20個分

ビターチョコレート(バローナ・エクストラノワールを使用)
25g
ミルクチョコレート(バローナ・ラクテを使用)
50g
パッションピュレ
27g
生クリーム (35%)
16g
トリモリン(または水あめ)
7g
無塩バター(室温に戻す)
16g
トランパージュ用ビターチョコレート (エクストラノワールを使用)
200g
セミドライアプリコット (メゾン・ルカディル社のものを使用)
20個
粉砂糖
適宜

手順

作り方

  1. 1

    ボウルに、細かく刻んだビターチョコレートとミルクチョコレートを入れ、湯煎で溶かす。

  2. 2

    生クリームとトリモリンを小さめの耐熱容器に入れ、ラップをかけて電子レンジにかける。10秒ずつレンジにかけて、30℃くらいに温める。よく混ぜたら1に加え混ぜ、ホイッパーで乳化させる。

  3. 3

    パションピュレも2と同様に、電子レンジで30℃くらいに温め、1に加えて混ぜる。

  4. 4

    ボウルに室温に戻したバターを入れ、ゴムベラかホイッパーでポマード状にする。1に加え、ハンドブレンダーでねっとりするまで混ぜる。口金無しの絞り袋に入れ、冷蔵庫で10分ほど、絞れる硬さになるまで冷やす。

  5. 5

    セミドライアプリコットは、横半分に開き、20枚をバットに並べる(残りはかぶせる用にとっておく)。切り口に、4のガナッシュをこんもりと絞る。 10分程置き、ガナッシュの中の空気を抜くように、そっとアプリコットをかぶせ、形を整える。

  6. 6

    ボウルに、トランパージュ(表面全体を覆う)用のビターチョコレートを入れて湯煎で溶かし、5を入れて全体にチョコレートをコーティングする。余分なチョコレートを落としたら、バットに広げた粉砂糖に入れ、全体に粉砂糖をまぶし、オーブンペーパーの上にそっと置き、チョコレートを固める。

撮影/佐藤朗 スタイリング/綱渕礼子 取材・文/岡井美絹子

PROFILE
オーノユウコさん

東京都世田谷区で「イグレックのお菓子教室」を22年前から主宰。洋菓子研究家。叔母が料理研究家だったため、小さい頃から料理やお菓子作りを教わる。小さい頃の思い出は、バニラエッセンスの香り。作りたてのお菓子しか食べてこなかった環境から、家庭で作るお菓子の美味しさを知ってもらいたいと思うように。ル・コルドンブルーをはじめ、さまざまな教室で学ぶ。アシスタントやパティスリーの仕事などを経て、現在に至る。お菓子教室のほか、企業の講習会講師、テレビ出演他。入会金5,000円。1回8,000円〜。

HP:https://y-eegrek.com
instagram:https://www.instagram.com/eegreky