マドレーヌ ショコラオランジュ

料理教室を主宰する人気料理家の「とっておきの一皿」をご紹介する連載。教室でも生徒さんから大好評だったオリジナルレシピや、自身にとっても思い入れの深い一品をお届けします。毎日の食卓からおもてなしにまで活躍する、季節感やトレンドを感じられる自慢の味をぜひ試してみてください。

上品な甘さのみかんジャムと芳醇なココアの風味が引き立つマドレーヌ。

お菓子教室「Misako’s Sweets」を主宰する小林三佐子さんが教えてくれたのは、バレンタインのプレゼントにもぴったりな「マドレーヌ ショコラオランジュ」です。

「冬に旬を迎えるみかんをジャムにして、生地に入れ込んだおめかしマドレーヌは、教室のレッスンでも大人気のメニューです。日本のみかんで作るみかんジャムは、オレンジで作るマーマレードに比べて、苦味が全面に主張せず、繊細でやわらかな風味。ジャムを加えることで、普通のマドレーヌよりも生地がパサつかず、しっとりとした口当たりが自慢のレシピです。みかんジャムは、ポークソテーの付け合わせにも便利ですし、カルダモンを入れてスパイシーにアレンジするのもおすすめです。マドレーヌって、フランスではパン屋さんに置いていたりと気軽なおやつのイメージですが、今回のレシピのようにジャムを焼いている途中でトッピングするというのは面倒な作業なので、なかなかお店にはないかと思います。家庭で作るからこその美味しさを味わってみてほしいですね」

美味しく作るポイントを教えてください。
「失敗はしにくいレシピだとは思いますが、牛乳や卵は常温に戻しておいたり、はちみつが固まっていたなら、レンジで温めてなめらかにしておくことが大切です。液体の温度がある程度温かいと乳化しやすいので、きめが細かく、ふっくらとした生地になります。生地も最低2時間は寝かせてください。グルテンが落ち着いて、生地の膨らみがよくなりますよ。

また、焼いている生地を途中で取り出してジャムをのせてから、再びオーブンに戻し入れるときは、オーブンの温度が下がらないように素早く扉を開閉してください。焼き立ては、外はカリッと中はふんわり、日にちが経つとさらにしっとりとした食感に。冬場なら4〜5日日持ちするので、プレゼントにも最適です。ひとつずつ袋に入れてかわいい缶に詰め、リボンがけするととっても素敵ですよ」

みかんジャムのまろやかな甘さと、ココアの風味が溶け合う、新境地のマドレーヌ。これまでのマドレーヌにはない、その口溶けの良さは虜になりそう! 家庭だからこそできる、手間ひまかけた味をぜひ楽しんでください。

2022年02月1日

レシピ作成
小林三佐子さん
調理時間
240分 ※内準備時間0分

材料4人分(約8個分)

みかん
200g

A

砂糖
120g
レモン汁
10g

B

全卵
60g
牛乳
33g
はちみつ
16g
グラニュー糖
65g

C

薄力粉
30g
アーモンドパウダー
15g
ココアパウダー(無糖)
20g
ベーキングパウダー
6g

無塩バター
55g

手順

下準備

  1. 1

    卵と牛乳は室温に戻しておく。

  2. 2

    バターは様子を見ながら電子レンジで溶かす。沸騰させないこと。

作り方

  1. 1

    みかんジャムを作る。みかんの皮をむいてせん切りにし、たっぷりの湯で、3回茹でこぼす。みかんの実は薄皮をむき、実はミキサーにかけてなめらかにする。薄皮は少量の水(分量外)でやわらかくなるまで煮る。

  2. 2

    鍋に、1とAを入れて弱火にかけ、とろみがつくまで加熱する。冷めたら容器に入れ、冷蔵庫で保存しておく。

  3. 3

    ボウルにBを入れ、泡立て器で泡を立てないようにしながら、よく混ぜ合わせる。

  4. 4

    Cを合わせてふるう。3に入れ、泡立て器で手早く混ぜ合わせる。生地にツヤが出てきたら、溶かしたバターを加えてさらに混ぜる。生地にラップをかけて冷蔵庫に入れ、2時間〜一晩寝かせる。

  5. 5

    型に溶かしバター(分量外)を塗り、小麦粉(分量外)を茶こしでふるい、余計な粉は落としておく。4の生地を、型の8分目までスプーンで流し入れる。型ごと軽く台に落とし、生地の表面を平らにして気泡を抜く。

  6. 6

    190℃に予熱したオーブンに5を入れ、6〜8分焼く。生地の中央が膨らんできたら、いったん網の上に取り出し、1のジャムを中央に少量ずつのせる。再びオーブンに戻し入れて、3〜4分焼く。焼き上がったらすぐに型から網の上に取り出して冷ます。

撮影/佐藤朗 スタイリング/綱渕礼子 取材・文/岡井美絹子

PROFILE
小林三佐子さん

お菓子のアトリエ「Misako’s Sweets」主宰。「Ecole Ritz Escoffier,」、「Bellouet Conseil」、「LENÔTRE 」にてフランス菓子を学ぶ。「Ecole Ritz Escoffier」にて Art de la Patisserie Francaise 全過程 のディプロマ を取得。都内でお菓子教室を開催したのち、現在恵比寿のアトリエで教室をオープン。旬の食材や高品質の材料、美しいデコレーションにこだわったお菓子に定評があります。フランス菓子をはじめとするお菓子作りの基礎から応用まで習得できる「ケーキコース」や、「シュガークラフトコース」、「スイーツデコレーションコース」を用意。メンバー登録(全コース共通11,000円)をすると、お得なメンバー料金でレッスンを受講可能。単発レッスンのビジター料金は、7,700円〜。

HP:https://www.misakosweets.com