アスパラガスの揚げピザ

人気店のシェフに3つのレシピを教えてもらう連載企画。旬の食材を使ったレシピ、思い出のレシピ、お店で人気のまかないレシピの3品をご紹介していきます。3月は、渋谷にある“捏ねる”がテーマの隠れ家イタリアン『Konel(コーネル)』の菊池隆樹シェフ。今回は旬のレシピから、「ホワイトアスパラガスの揚げピザ」を教えていただきました。

春になると、菊池さんが毎年心待ちにしているホワイトアスパラガスが旬を迎えます。「3〜4月になると契約している香川の農家さんから、特有のエグミが一切なく、太さといい甘さといい、最高級のホワイトアスパラガスが届きます。減農薬はもちろん、キノコの粉末やカニの甲羅など、旨み成分を入れた肥料で育てられているそうです。今回はこのホワイトアスパラガスを主役にした揚げピザを考えました」

日本でピザというと窯で焼き上げたものがメジャーですが、教えてもらったピザは珍しい揚げタイプ。「元々ピザは、“焼き”ではなく“揚げ”が始まりなんです。イタリア・ナポリでは、屋台などで気軽に食べることができるテイクアウトフードとして、おやつのような位置付けでよく食べられています。これに、チーズや黒胡椒などを混ぜた卵黄ソースを絡ませて食べてみてください。溶き卵と食す焼肉のイメージで作ってみたんですが、まろやかな味わいがホワイトアスパラガスとも相性抜群です」

生地の中心に、ソース、ホワイトアスパラガス、ベーコン、モッツァレラチーズ、パルメザンチーズの順にのせる。

生地を半分に折りたたみ、ふちの上下を指でしっかりと密着させる。

さらにふちの部分をもう一度内側に折りたたみ、指で押さえて生地同士を密着させる。

揚げているときに中身が出てこないように、ふちをしっかりと閉じることがポイント。

中の具には火が通っているので、表面に香ばしい焼き色がつけばよい。

揚げ立てはチーズがとろ〜り溶け出して、卵黄ソースを絡めるとコクが引き立つ。「卵は群馬県産のこだわり卵を使用しています。パプリカを飼料に使っているので、黄身の色も美しく濃厚な味わいです」

菊池さんがこの日使った道具。生地作りに大活躍、SELECT100 ボウル 25cm、揚げ物にも重宝する、SELECT100 トング 24cm 、切れ味抜群のSELECT100 T型ピーラー、生地がくっつきにくい表面エンボス加工のスクレッパー(ホワイト)、均等にのばせるリング付きめん棒

モチモチのピザ生地は、揚げていることを忘れるほど軽やかな後味で、1人1個ペロリと食べられることうけあい。ナイフを入れると具がお目見えする瞬間のワクワク感も、楽しい演出のひとつです。

2020年02月27日

レシピ作成
菊池隆樹さん
調理時間
20分 ※内準備時間0分

材料12個分、仕上げのソースと飾りは1人分

ピザ生地

強力粉(撮影では、春の香りの青い空を使用)
300g
ドライイースト
3g
塩(撮影では焼き塩を使用)
5g
ぬるま湯(30℃くらい)
180ml

ピザ生地用

揚げ油(撮影ではサラダ油使用)
適量

ホワイトアスパラガス
6本
ベーコン
30g
モッツァレラチーズ
60g
パルメザンチーズ(粉)
30g
塩、黒胡椒
各少々

ソース

ホワイトアスパラガス
6本
玉ねぎ
60g
ベーコン
24g
適量

卵黄ソース(1人分)

卵黄
1個
パルメザンチーズ(粉)
適量
黒胡椒
少々
トリュフオイル
適量

飾り用(1人分)

タイム
適量
ホワイトアスパラ(スライス)
1本分
パルメザンチーズ(粉)
適量

手順

  1. 1

    ピザ生地を作る。ボウルにぬるま湯を入れ、ドライイーストを加えて混ぜる。しばらく室温に置き、ドライイーストが溶ければよい。

  2. 2

    大きめのボウルに、強力粉、塩、1を入れて手でよくねる。生地がまとまって粉っぽさがなくなればOK。ビニール袋に入れ、冷蔵庫で24時間生地を寝かせる。

  3. 3

    具を作る。ホワイトアスパラガスは、根元を切り落として皮をむく。4分ほど塩茹でし、フライパンで軽くソテーして塩、胡椒で味を調え、2cmくらいに切る。ベーコンとモッツァレラチーズは食べやすい大きさに切る。ベーコンはフライパンで軽く炒める。

  4. 4

    ソースを作る。ホワイトアスパラガスは、根元を切り落として皮をむき、4分ほど塩茹でする。玉ねぎはスライス、ベーコンは細切りにする。玉ねぎとベーコンはフライパンで炒め、さらに水を入れてしんなりするまで加熱し、完全に火を通す。ミキサーに、アスパラ、玉ねぎ、ベーコンを入れてなめらかなピュレ状にする。

  5. 5

    2を台に取り出し、スケッパーで12分割する。生地を丸め、室温で10〜15分寝かせる。かたく絞った濡れ布巾をかけて、室温で10分くらい休ませる。

  6. 6

    5をめん棒で直径10cmくらいの円形に伸ばす。中心に、12等分した4のソースを塗り、3のアスパラガス、ベーコン、モッツァレラチーズをそれぞれ12等分してのせ、パルメザンチーズをかける。半分に折りたたむ。

撮影/田尻陽子 取材・文/岡井美絹子

「Konel」シェフ・菊池 隆樹さん

青森県出身。大学卒業後、レコード会社勤務を経て、国分寺の中華居酒屋で料理の基礎を学ぶ。30歳で渡伊し、エミリア=ロマーニャ州、ボローニャのリストランテやサルデーニャ島、ブレシア、ローマなどでイタリア料理の経験を積む。帰国後は、「AWkitchen」料理長に就任。2018年3月、同店で店長だったソムリエの神作知子さんとともに、看板も電話番号もメニューもないイタリアン「Konel」を渋谷にオープン。

SHOP INFORMATION

店名:Konel(コーネル)
住所:東京都渋谷区神南1-9-5 2F
Tel:なし(予約はFacebookのメッセージから)
営業時間:18:30~24:00LO(土〜23:00LO)
定休日:日、月