プロの逸品 鯛のポワレ
プロの逸品 秋刀魚ときのこの揚出し
プロのレシピ
人気店のシェフに3つのレシピを教えてもらう連載企画。素材が活きるごちそうレシピ、思い出のレシピ、お店で人気のまかないレシピの3品をご紹介していきます。1月は渋谷にある予約困難な大人の居酒屋『高太郎』の林高太郎さんに、『シンプルだけど美味しい』をテーマにレシピを提案してもらいました。今回教わるのは、出汁使いのテクニックを味わえる「秋刀魚ときのこの揚出し」。きのこあんはさまざまな料理に応用できるので、ぜひマスターしてみてください。
酒のアテにもぴったりな粋な一皿
独立を前に蔵元巡りをして、本当に自分が信じられる酒造所を探しに回ったという高太郎さん。現在お店のメニューにあるのも、厳選された蔵元の日本酒ばかりで、今も毎年休みをとり、スタッフとこれらの酒蔵を訪問しているそうです。そんな日本酒好きの高太郎さんに、お酒に合う逸品を教えてもらいました。脂ののった秋刀魚にきのこあんをたっぷりかけた上品な小鉢は、覚えておきたいテクニックが満載です。
「レシピで紹介した、出汁:醤油:みりんが「6:1:1」の黄金比率は、ほかの料理などにも使えます。今回は素材の色や風味を生かしたいので、薄口醤油を使いました。この黄金比率で作ったきのこあんは、揚出し豆腐や焼いた肉、うどんや卵焼きにかけたりとさまざまに応用できるので、多めに作っておくのもいいですよ」(高太郎さん)
魚をふっくら揚げるコツもおさえておきましょう。今回は秋刀魚を使用しました。(撮影は9月)「秋刀魚自体に脂がのっているので、揚げ時間は40〜50秒でかまいません。あとは余熱で火を通すと、硬くならずに美味しくいただけます。さらに2度揚げして表面を香ばしく仕上げます」秋刀魚の代わりに、鰯などの青魚で作ってもよさそうですね。
おろした秋刀魚は皮目を下にして、端から巻き始めます。
真ん中まで巻いたら、いったん楊枝で留めます。反対の端からも同様にクルクル巻き、真ん中まできたら楊枝を貫通させます。
この巻き方だと巻き終わりが外に出ないので、美しい見た目に仕上がります。
秋刀魚に片栗粉をまぶし、軽くはたいて余分な粉を落とします。

ふっくらと香ばしい秋刀魚に、風味豊かなきのこあんが絶品!すっきりとした味わいの辛口日本酒がよく合います。秋刀魚に限らず、旬の魚を使ってお試しください。
2020年01月28日レシピ作成 | 林高太郎さん |
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調理時間 | 15分 ※内準備時間0分 |
材料作りやすい分量
秋刀魚(3枚におろす、店でおろしてもらってもOK)
1尾
しめじ、なめこ、えのきだけ
各1パック
生椎茸
5〜6個
出汁(かつおと昆布でとったもの)
300ml
みりん
50ml
薄口醤油
50ml
片栗粉
適量
揚げ油(撮影ではサラダ油を使用)
適量
大根おろし
適量
おろし生姜
適量
刻んだあさつき
適量
作り方
1.
秋刀魚を3枚におろし、小骨を取る。下味はつけなくてよい。
2.
秋刀魚は端からくるくると巻き、真ん中まできたら楊枝で留める。反対の端からもくるくると巻き、先ほど留めた楊枝を貫通させる。
3.
ボウルに片栗粉を入れ、2の秋刀魚を入れて片栗粉を薄くまぶし、余計な粉をはたく。180度の揚げ油で40〜50秒揚げたら、取り出して休ませる。
4.
秋刀魚を休ませている間に、きのこあんを作る。鍋に4種類のきのこを食べやすい大きさに包丁で切って入れる。出汁300ml、みりん50ml、薄口醤油50mlを加えて火にかけ、2分煮る。
5.
水溶き片栗粉(分量外)で軽めのとろみをつける。
6.
休ませておいた3の秋刀魚を2度揚げする。180度の揚げ油で30〜40秒揚げたら取り出し、楊枝を外す。
7.
器に秋刀魚を盛り、5のきのこあんをかけ、大根おろし、おろし生姜をのせ、あさつきを散らす。(完成写真では、高さを出すために揚げた里芋とごぼう(分量外)を敷いているがなくてよい)
撮影/中村香奈子 取材・文/岡井美絹子
高太郎さんがこの日使った料理道具。包丁は、関孫六 15000ST 牛刀 210mm。つかんだ食材が滑りにくいブラスト加工を施したステンレス菜箸、ステンレスの板製で洗いやすさも抜群のあくとり&かすあげは、どちらも揚げ物をするときに大活躍のツールです。
林高太郎さんプロフィール
東京・渋谷にある大人の居酒屋「高太郎」店主。2011年のオープン以来、予約の取れない店として有名。本格的な和食をベースにした店主のこだわりが盛り込まれた料理とともに、厳選された日本酒を味わえる。
SHOP INFORMATION
店名:高太郎
住所:東京都渋谷区桜丘町28-2 三笠ビル 1F
Tel:03-5428-5705
営業時間:18:00〜24:00(L.O.23:00)
定休日:日曜・第1月曜
エリア:渋谷