桃のビスキュイロール

料理教室を主宰する人気料理家の「とっておきの一皿」をご紹介する連載。Kai House Club会員でもある先生方が考案する、教室でも生徒さんから大好評だったオリジナルレシピや、自身にとっても思い入れの深い一品をお届けします。毎日の食卓からおもてなしにまで活躍する、季節感やトレンドを感じられる自慢の味をぜひ試してみてください。

軽やかな味わいの可憐なロールケーキ

ティータイムを楽しくさせてくれる洋菓子教室を主宰するRIEさんに教えてもらったのは、別立て製法で作るビスキュイ生地の「桃のビスキュイロールケーキ」です。

「焼き時間も短いし、バターも使わない生地なので、夏場にもぴったりの味わいです。軽くてふんわりした食感の生地は、クリームやフルーツとの相性もよく、季節を問わず作れます。アレンジしやすいので、ぜひ覚えてレパートリーに加えてみてください」

失敗しないコツはありますか?
「生地には、強力粉も加えて、弾力も感じられる仕上がりにしています。混ぜるときは、粉が見えなくなったらすぐにストップしてください。混ぜすぎるとメレンゲの泡が潰れてしまい、生地を絞るときにダレてしまって、焼き上がったときに凸凹が出にくくなるので注意してください。また、生地ができたらすぐに絞ってオーブンに入れること、フルーツの水気をよく切ってから巻くのもポイントです」

生地が本当にさっくりとキレのいい食感で、甘さ控えめのクリームやみずみずしい桃とよく合いますね。何個でも食べられそうです!
「今回は、今が旬の桃を使いましたが、いちごやメロン、バナナ、キウイなど、どんなフルーツとも好相性です。色とりどりのフルーツをミックスして使うのも素敵です。生地そのものが軽やかでいくらでも食べられてしまうおいしさなので、フルーツなしでクリームだけ巻いても満足できますよ」

粉も少なめでバターが入っていない生地なので、驚くほど軽やかな味わいのロールケーキです。暑い季節もさっぱりと食べられるので、やや厚めの3cm幅くらいにカットするのがおすすめ。そのときどきの旬のフルーツでアレンジすれば、1年中楽しめます。

2020年07月28日

レシピ作成
RIEさん
調理時間
110分 ※内準備時間20分

材料27cmロールケーキ型1台分

ビスキュイ生地

2個
グラニュー糖(卵白用)
50g
グラニュー糖(卵黄用)
10g
薄力粉
25g
強力粉
25g
粉糖
適量

クリームシャンティ

生クリーム(乳脂肪分43%)
150g
グラニュー糖
15g
バニラビーンズ
適量

仕上げ

中サイズ1個
粉糖(溶けないタイプ)
適量

手順

準備

  1. 1

    卵を卵黄と卵白に分けておく。

  2. 2

    薄力粉と強力粉を合わせて振るっておく。

  3. 3

    型に合わせてオーブンシートを切り、型に敷く(対角線状に折り目をつけておくとよい。あとで生地を絞るときにガイドになる)。

  4. 4

    絞り袋に1cm径口の丸口金を付けておく。

  5. 5

    オーブンを210℃に予熱する。

作り方

  1. 1

    ビスキュイ生地を作る。ボウルに卵黄、グラニュー糖を入れ、泡立て器で白っぽくなるまで混ぜる。

  2. 2

    別のボウルに卵白を入れ、グラニュー糖を大さじ1くらい加え、ハンドミキサーの高速で泡立てる。細かい泡が立ってきたら、残りのグラニュー糖を2回に分けて加えながら、角が立つまで泡立てる。

  3. 3

    2に1の卵黄を加え、泡立て器でゆっくり混ぜ合わせる。

  4. 4

    卵黄が2/3ほど混ざったら、振るっておいた粉類を2回に分けて加え、ゴムベラで底からすくい上げるように混ぜる。粉が見えなくなったら混ぜるのを止める。

  5. 5

    絞り袋に4を入れ、型に斜めに絞り出す。オーブンシートの折り目に沿って型の対角線状に絞り(斜め45度)、3mmの間隔をあけて端まで絞っていく。

  6. 6

    表面に粉糖を振るい、少し経ってからもう一度振る。190℃のオーブンで10~12分、焼き色がついたら取り出して、網の上で冷ます。

  7. 7

    クリームシャンティを作る。生クリームにグラニュー糖、バニラビーンズを加え、氷水に当てながら8分立てまで泡立てる。

  8. 8

    桃は2cm角に切り、キッチンペーパーの上に並べて、水気をしっかりととる。

  9. 9

    6の生地を大きめに切ったオーブンシートの上に裏返して置き、焼き上がった生地に敷いてあったオーブンシートははがす。

  10. 10

    生地の奥側を3cmほど残して、パレットナイフで7を塗り広げる。

  11. 11

    8の桃を、真ん中と手前1/4辺りの2カ所に並べ、オーブンシートごと手前から巻いていく。巻き終わりはカードなどを使って軽く中に押し込むようにして締めると、綺麗に仕上がる。

  12. 12

    巻き終わり部分を下にして、オーブンシートに包んだまま冷蔵庫で1時間ほど冷やす。

撮影/佐藤朗 スタイリング/綱渕礼子 取材・文/岡井美絹子

PROFILE
RIEさん

東京都渋谷区代々木で、洋菓子教室「Petit Bonbon」を主宰。丁寧でわかりやすいレッスンは4名までの少人数制なので、初めてお菓子作りをする方でも安心です。レッスンは、お菓子作りの経験がない初心者向けの「入門クラス」と、初心者からお菓子作りをしたことがある方向けの「季節の洋菓子クラス」の2クラスを用意。とくに「クッキー缶のレッスン」が好評です。入会金なし、1回6500円。予約はHPから。

https://atelierpetitbonbon.wixsite.com/mysite