料理教室を主宰する人気料理家の「とっておきの一皿」をご紹介する連載。教室でも生徒さんから大好評だったオリジナルレシピや、自身にとっても思い入れの深い一品をお届けします。毎日の食卓からおもてなしにまで活躍する、季節感やトレンドを感じられる自慢の味をぜひ試してみてください。
天然酵母と時間の力で、手間ひまかけずに極上パンを
深まりゆく秋は、チョコレートを使ったパンやお菓子がさらに美味しく感じられる季節です。今回は、ホシノ天然酵母を使ったパン作りが学べる「天然酵母パン・料理教室 Nature」を主宰する大塚有子さんに、チョコレートとピスタチオが風味豊かに香る、ビターな大人パンを教わります。
「秋になると恋しくなるチョコレートと相性がいいピスタチオを使った、大人のパンです。なんといっても、ワンランク上の味わいに仕上がるのが自慢!ホシノ天然酵母を使っているので風味良く仕上がりますし、味に深みをプラスしてくれるライ麦粉を加えているのもこだわりです。砂糖は控えめで、バターを使っていないパンなので、小麦粉本来の味が引き立つだけでなく、罪悪感なしで楽しめるのも嬉しいですね。使用している国産強力粉は、北海道産小麦をブレンドしたコンチェルト。味が良くて扱いやすいし、菓子パンからハード系まで幅広く使えるところが気に入っています。時間が美味しくしてくれるパンなので、焦らずゆっくり生地を発酵させることが、唯一のポイントでしょうか」
天然酵母パンというと、パン作りに慣れていないとハードルが高そうなイメージですが…。
「むしろ逆なんです。初めてパン作りに挑戦する生徒さんからも、“難しいと思っていたけれどそんなことないんですね”というお声をよくいただくくらい、初心者向きのパンだと思っています。ホシノ天然酵母を使えば、むしろ失敗がないし、断然美味しく仕上がります。一度生種を作っておけば、1〜2ヶ月は保存できますので、思い立ったらすぐに作れるのも魅力。生種は、最初は発酵力が強いので食パンに、時間が経って発酵がゆるやかになってきたら、菓子パンなどにおすすめですよ。
たしかに、天然酵母パンの発酵時間は6時間ほどと長いのですが、午前中に生地をこねておけば、発酵時間を利用して午後からは外出することもできるので、むしろ自由度が高いと思います。帰宅してから焼き上げれば、夕食に焼き立てパンを食べることもできますし、生地を冷蔵庫で冷やしておけば、発酵がゆるやかになるので、朝食にいただくことも可能です。ライフスタイルに合わせて、焼き立てパンがある食卓を楽しんでみてください」