特集記事

料理家が仕事の人脈を築く方法

スキルアップ
2018年12月11日
フリーで仕事をしていると、ふとどうしようもない孤独にとらわれることがあります。毎日多くの生徒に囲まれて「先生」と呼ばれ、慕われていても、果たしてそれだけでいいのだろうか……と。周りを見回せば、自らの料理教室は大盛況だというのに、さらに企業やメディアとも積極的に手を組んで活躍している料理家もたくさん。彼らが持っていて自分にないものは何? そんな人のために、今回は「仕事に生きる人脈の築き方」について考えてみましょう。 >>企業やメディアに愛される料理家の秘密 >>人間関係に悩まないためには >>ビジネスに効く名刺の作り方

昨今はSNSやブログの発達によって、誰もが個人メディアになり得る時代。その結果、世界中の人とつながって行動を起こすことが容易になりました。料理教室の先生として日々忙しく過ごしていながら、さらに上記のような他ジャンルでも料理の腕を生かして活躍することはまったく難しいことではありません。実際に、テレビで見かける有名料理家と呼ばれる人々は、著書多数でスタイリング技術にも長けていて、ライフスタイルブランドを展開したりワインイベントにゲストとして呼ばれたりなど、忙しそうに輝いています。そんなマルチタスクな料理家になれるのであれば、トライしてみてもいいのではないでしょうか。

フリーの人に仕事をもたらすのは、人脈と実績だけ

「料理教室はがんばって続ける。けれども、外の世界とも積極的につながって、今とは別の収入ベースを作りたい!」。そう決意したら、具体的に何から行動をスタートすればいいのでしょうか。答えはシンプルです。「人脈を築き、他人から見てもわかりやすい実績を積むこと」、これに尽きます。
後者の「わかりやすい実績」とは、メディアへの露出数やメーカー企業との仕事実績を指すので、いきなりゲットできるものではありません。実績がないうちは、まずは自分という人材がいることを世に示すために、SNSでのプレゼンスを上げる努力をしたり、企業に信頼してもらえるようなホームページを作成するなど、“地道にコツコツ系”のアプローチを続けるのがおすすめです。
しかし、前者の「人脈を築く」というのは、今日からでも実践できる大切なビジネスストラテジー。「私は料理教室運営以外にも、こんなことができる」「こんなことがしたい」という意思表明を、さまざまな場所でさまざまな人に対して積極的に打ち出すことから始まります。では、誰に対してどんな方法でこれを伝えるのがよいのでしょうか。

人脈を築く方法① 積極的に外出しないとチャンスには出会えない

料理教室を営みつつ、家族の世話などもこなしていると、毎日がとにかく忙しく過ぎていきます。そんな中で人脈を新たに築くのは、確かに難しいかもしれません。しかし、ほぼ決まった顔ぶれの中で暮らしているだけでは、新たな人脈構築は厳しいものです。もちろん、生徒からの何気ない質問にハッとした気づきがあったり、家族が何度もお代わりをするメニューに着想を得ることはあるかもしれません。しかし、これまでとは異なる世界の人と出会うことから、新たな人脈形成はスタートします。なので、多少自分にスパルタ気味になってでも、「これまでに行ったことのない場所、参加したことのない毛色のイベントやセミナーに顔を出してみる」ということを、最低でも1年間、まずは実践してみてください。
もちろん、まったく興味の持てないものに手を出す必要はありません。ポイントは、少しだけ枠を広げてみること。例えば、ワインが大好きな人であれば、最近話題になっているクラフトビールや若い感覚を持つ造り手が開催する日本酒イベントなどに参加してみるのはいかがでしょう。海外のおしゃれなテーブルウエアに敏感で毎年そういったフェスに顔を出すという人であれば、今年は有田や益子、燕三条といった国内の器や道具の産地を旅してみるとか。出版社やテレビ局が開催するライフスタイルや食材のイベントに日頃から参加しているというのであれば、少し視線を変え、自分の年齢よりは上(あるいは下)の人たちが主催するパーティーなど、「これまでの定番とは、ちょっとだけ違う部分」をねらうのがコツです。

1 2 3 4 5

写真/Unsplash