にんにくグラタンスープ

人気店のシェフや料理家など、食のプロフェッショナルに学ぶ逸品レシピ。今月は、日本におけるイタリア料理界のカリスマに、家庭で作れるイタリアンを教わります。

>>「第1回・エゾアワビのボンゴレ風」のレシピはこちら!

余計なうま味を加えず、素材の持ち味を楽しむスープ

フルオープンの劇場型キッチン、東京・南青山「テストキッチン エイチ」を手掛けるイタリアンの巨匠、山田宏巳シェフに学ぶイタリアン。第2回は、「にんにくグラタンスープ」を教えてもらいました。

「このスープには、ベーコンや鶏のだしなどのうま味は加えていないので、食べたときに“もっと何か入っていないのかな?”とうま味を探すかもしれません。でも、これが意図的なおいしさ。食べ進めるうちに、にんにくとハーブの香りがして、最後まで心地よく食べられます」。優しい味わいで、健康効果が高いにんにくもたっぷり入っているので、風邪のときや疲れがたまったときなどにもおすすめです。

ベースとなるスープの構成は、水とにんにく、そしてハーブのみ。「ハーブは入れたらおいしくなるわけではなく、基本は水とにんにく。ハーブは、食べたときに気をそらすフェイントの役割ですね。“ひと口目から旨い”という料理ではなく、自然に素材から出てくる味を楽しむレシピです」

にんにくをじっくり煮込んでスープがとれたら、やわらかくなったにんにくごと型に注ぎ入れ、バゲットをのせます。

唯一のうま味となるグリュイエールチーズ。お好きなだけたっぷり掛け、オーブンでこんがりと焼き上げてください。

材料も工程もシンプルで、手軽に作れる「にんにくグラタンスープ」。にんにくがトロトロにとろけて、やさしい舌触りの食べるスープです。毎日の食事にはもちろん、元気を出したいときにもおすすめ。

2019年03月11日

レシピ作成
「テストキッチン エイチ」山田宏巳シェフ
調理時間
50分 ※内準備時間0分

材料10cmのココット型2個分

にんにく
2株
タイム
2~3枝
ローズマリー 
2~3枝
バゲット(スライス)
6枚
グリュイエールチーズ
適量
イタリアンパセリ
適量
オリーブオイル 
適量

手順

  1. 1

    にんにくは1片ずつに分けて皮をむき、タイム、ローズマリーと共に小鍋に入れ、ひたひたの水を注いで火にかける。沸騰したら弱火にし、30分ほど煮込む。

  2. 2

    ココット型などの耐熱容器に1を注ぎ、バゲットを型1個につき3枚入れ、削ったグリュイエールチーズをふりかける。

  3. 3

    230℃に予熱したオーブンに入れ、焼き色がつくまで焼く。

  4. 4

    刻んだイタリアンパセリを散らし、オリーブオイルを少量垂らす。

撮影/川上輝明  取材・文/江原裕子

今回の料理に使用した道具
IHでもガスでも使える「o.e.c. 片手鍋 18cm (ふた付)」(貝印)。素材にはステンレスとアルミを合わせ、高い熱伝導性と保温性を両立。底面を均一に加熱できるだけでなく、側面まで速く熱がまわります。鍋のハンドルは耐熱性で、オーブンでも使用できます。

シェフ紹介
山田宏巳(ヤマダ ヒロミ)さん
1953年、東京浅草生まれ。新潟「イタリア軒」にてキャリアをスタートし、数々の料理店で修業後、東京・青山「ビザビ」のシェフに就任。1982年にイタリアへ留学し、帰国後の1985年より東京・原宿「バスタ・パスタ」総料理長を務める。東京・広尾「ヴィノッキオ」、下北沢「ポポラーレ」料理長を経て独立。1995年、東京・南青山に「リストランテ・ヒロ」をオープンし、代官山、銀座、丸の内などの支店もヒットさせる。2009年には東京・銀座「ヒロソフィー」を開店。2018年春、料理人としての集大成を注ぐ「テストキッチンH(エイチ)」を、東京・南青山にオープン。

SHOP INFORMATION
店名: テストキッチン H(エイチ)
住所: 東京都港区南青山5-12-13
URL: https://www.testkitchen-h.tokyo/
Tel: 03-6452-6582
営業時間: 17:30~23:00(コースL.O. 21:30)
定休日: 日曜日(2019年3月17日より)
エリア: 東京・南青山