人気店のシェフや料理家など、食のプロフェッショナルに学ぶ逸品レシピ。今月は、日本におけるイタリア料理界のカリスマに、家庭で作れるイタリアンを教わります。
余計なうま味を加えず、素材の持ち味を楽しむスープ
フルオープンの劇場型キッチン、東京・南青山「テストキッチン エイチ」を手掛けるイタリアンの巨匠、山田宏巳シェフに学ぶイタリアン。第2回は、「にんにくグラタンスープ」を教えてもらいました。
「このスープには、ベーコンや鶏のだしなどのうま味は加えていないので、食べたときに“もっと何か入っていないのかな?”とうま味を探すかもしれません。でも、これが意図的なおいしさ。食べ進めるうちに、にんにくとハーブの香りがして、最後まで心地よく食べられます」。優しい味わいで、健康効果が高いにんにくもたっぷり入っているので、風邪のときや疲れがたまったときなどにもおすすめです。
ベースとなるスープの構成は、水とにんにく、そしてハーブのみ。「ハーブは入れたらおいしくなるわけではなく、基本は水とにんにく。ハーブは、食べたときに気をそらすフェイントの役割ですね。“ひと口目から旨い”という料理ではなく、自然に素材から出てくる味を楽しむレシピです」
にんにくをじっくり煮込んでスープがとれたら、やわらかくなったにんにくごと型に注ぎ入れ、バゲットをのせます。
唯一のうま味となるグリュイエールチーズ。お好きなだけたっぷり掛け、オーブンでこんがりと焼き上げてください。