料理のプロフェッショナルにレシピの極意を教わる連載。料理教室を主宰する「料理の先生」が、生徒からのリクエスト率ナンバーワンの人気レシピを紹介します。おいしさはもちろん、万人に愛される理由が満載のメニューに隠れた秘密を探ります。
バレンタインに作りたい、とっておきスイーツ
2月14日は言わずと知れたバレンタインデー。女性が大切な男性に本命チョコを贈るほか、お世話なった人に義理チョコを手渡したり、女性同士が友チョコを贈り合ったりと、2月は一年で最もチョコレートと触れ合うことの多い時期といえるのではないでしょうか。
そこで今月は、東京都内の自宅で「お菓子教室 Precieux(プレシュ)」を主宰する料理家の吉見ななえさんに、教室で人気のチョコレートを使ったレシピを教えてもらいました。「ホワイトチョコ入りバタークリームのレーズンサンド」はもともと、吉見さんが教室を始める前から友人にギフトとしてプレゼントしていたお菓子。「販売して欲しいくらい!」「作り方を知りたい!」というリクエストが多く、レッスンにも登場するようになった一品です。
“バターサンド” や “レーズンウィッチ”など、様々な名称で親しまれているレーズンサンドですが、生徒たちからは「クッキー生地がしっとりとしていて、レーズンクリームとのバランスが良く、くちどけの良い食感」「レーズンの香りが豊かで、ホワイトチョコレートが苦手という男性にも好評」「クッキー生地に発酵バターを使用することで、自宅でもパティスリーのような味を再現しやすい」という声が寄せられ、高い人気を誇っています。
「レーズンを浸け込むラムには、香り豊かで深みのあるダークラムを使用。長く浸けるほど洋酒がなじんで味も深まり、一層まろやかになります。男性からの人気も高く、しっかり甘さはあるものの、甘い物が苦手な人にも食べてもらえる不思議なお菓子。簡単なレシピながら手の込んだ印象のリッチな味わいで、バレンタインデーの贈り物にもぴったりです」
レシピのポイントは、クッキー、ラムレーズン、バタークリームのバランス。一口目の食感を大切にしているため、クッキー生地は固すぎずほろっと崩れる配合で、ダークラムで浸けたレーズンを挟み、クリームにはホワイトチョコを加えてよりクリーミーに仕上げているのだそう。
「作ったあとは冷蔵庫で冷やしておき、食べる直前に出して室温に置き、少しやわらかくなったら食べ頃です。クリームにはホワイトチョコをたっぷり混ぜ込んでいるので、真夏は溶けやすく、持ち運ぶのが難しいほど。ですので、バレンタインの季節を中心に秋から春先に楽しむのがおすすめです」
とても繊細なレーズンサンド。作り方のポイントも聞きました。
「ラムレーズンは、浸けてから一週間後が食べ頃なので、あらかじめ作って密閉容器で保存しておくといいでしょう。レーズンは、オイルコーティングされていないタイプを使用します。また、クッキー生地はとてもやわらかいので、型抜きしにくい場合は、その都度冷凍庫に入れて冷やし、しっかり固まった状態で抜いてください」
吉見さんのレシピ通りにきちんと作れば、いわゆる “お店のような味” に完成するこのレシピ。一見、チョコレートが使われていることがわからないスペシャルなレーズンサンドで、今年のバレンタイン、大切な人においしさと驚きをプレゼントしてみるのはいかがでしょう。