料理を職業にしているプロフェッショナルたちに、レシピの極意を教わる連載。料理教室を主宰する「料理の先生」に聞き、リクエスト率ナンバーワンの人気レシピを紹介します。おいしさはもちろんのこと、生徒たちに愛される理由が満載のひと皿に隠れた秘密を探ります。
夏のイベントに! 誰にでも喜ばれるテッパンの持ち寄りレシピ
栄養士の資格を持ち、専門家としてプロアスリートの栄養サポートから、離乳食・介護予防の提案まで、体によい料理で厚い信頼を得ている料理家の堀口泰子さん。そんな堀口さんは自身の主宰する料理教室で、身近な食材を使った家庭料理を教えています。
料理や栄養の基本をしっかり学んだ堀口さんのもとには、料理に苦手意識を持つ生徒も多く通っているといいます。「料理に自信がない方というのは、作業時間や手間を省きたいけれど、身体によくて見栄えもいい料理を求めていらっしゃることが多いんです。なので、レッスンでは短時間で調理できるメニューを中心に、45分で3品作れる献立を心掛けています」
そんな堀口さんの料理教室で、盛夏向けのメニューとして支持を集めているのが「雑穀おこわの巾着焼き」。もともとは“夏の花火大会に持って行ける料理を”とリクエストされ、考案されたレシピだといいます。
「熱い夏は、油揚げを甘く炊いたいなり寿司よりも、そのまま焼いてパリッと仕上げた巾着おこわがおすすめ。炊き込みごはんや中華おこわの巾着ごはんもよく作りますが、黒米が視覚的なポイントになる雑穀米を使うとおしゃれな印象になります。手に取って食べやすく、お酒のおつまみにも好評なので、持ち寄りパーティーなどたくさんの人が集まるシーンでぜひ作っていただきたいですね」
巾着ごはんなら持ち運びしやすく、花火大会などのアウトドアのイベントにもぴったり。また、暑い日にコンロを使う必要がなく、夏に使用頻度の高いめんつゆを活用するなど、作り手への優しい配慮が随所に散りばめられた優秀レシピです。ひと口サイズだから、食欲がない日でも食べやすく、夏バテ予防にもなる一品なので、ぜひレパートリーに加えてみてください。